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求人票の基本給表記ガイド:残業代や賞与を含めるNG行為と法的チェックリスト

求人票の基本給表記で多発する誤解を招く記載例を解説。労働基準法に基づく正しい賃金明示のルールと、法的リスクを避けるチェックリストを紹介します。

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読了 約8RecruitHub編集部 (採用管理の専門メディア)

求人票を作成する際、「できるだけ魅力的に見せたい」という思いから、つい基本給の表記で誇大表現をしてしまう企業が少なくありません。しかし、残業代や賞与を含めた金額を基本給として記載することは、労働基準法違反につながる可能性があります。

こんなお悩みを抱えている採用担当者の方も多いのではないでしょうか?「他社の求人と比較して見劣りしないよう、少しでも高く見せたい」「でも法的な問題は避けたい」という板挟み状態。そこで本記事では、求人票の基本給表記における適切なルールと、コンプライアンスを守りながら魅力的な求人を作成するポイントを詳しく解説していきます。

求人票でやってはいけない基本給の誇大表現パターン

求人票作成において、多くの企業がつい陥りがちな基本給表記の問題パターンを見ていきましょう。

残業代を含めた表記のNG例

問題のある表記例:

  • 基本給:月給35万円(固定残業代30時間分を含む)
  • 月給30万円〜(みなし残業代込み)
  • 基本給:350,000円※時間外手当含む

これらの表記は、基本給と諸手当を混同した誤った記載方法です。労働基準法では、基本給と諸手当を明確に区別して明示することが求められています。

正しい表記例:

  • 基本給:25万円 固定残業代:5万円(30時間分) 合計:30万円
  • 月給:基本給250,000円+固定残業代50,000円(30時間相当分)

賞与を含めた年収表記の落とし穴

年収ベースで魅力度を高めようとして、賞与込みの金額を月給として記載するケースも注意が必要です。

問題のある表記例:

  • 月給40万円(年収ベース480万円を12で割った金額)
  • 基本給:月35万円相当(賞与年2回分を含む)

正しい表記例:

  • 基本給:28万円 想定年収:400万円〜450万円(賞与年2回含む)
  • 月給:280,000円 年収例:420万円(賞与実績:基本給×3.5ヶ月分)

インセンティブや成果給を含む表記の注意点

営業職などでインセンティブが支給される職種では、その表記方法も重要なポイントになります。

問題のある表記例:

  • 基本給:月給50万円(成果次第でインセンティブ含む)
  • 月給:35万円〜100万円(実績により変動)

正しい表記例:

  • 基本給:25万円 インセンティブ:実績に応じて支給(月平均5万円〜25万円)
  • 基本給:250,000円+インセンティブ(過去実績:月額平均80,000円)

労働基準法に基づく賃金明示の正しいルール

労働基準法第15条および労働基準法施行規則第5条では、求人時の労働条件明示について詳細に定められています。

明示が義務付けられている賃金項目

求人票に記載すべき賃金の詳細項目は以下の通りです:

  • 基本賃金の額:時間給、日給、月給などの基本となる賃金
  • 諸手当の種類と額:住宅手当、家族手当、役職手当など
  • 賃金の決定・計算・支払い方法:昇給の有無、賞与の有無など
  • 賃金の締切日・支払日:給与の計算期間と支払日

固定残業代制度を採用する場合の表記ルール

固定残業代制度(みなし残業制)を導入している企業では、特に注意深い表記が求められます。

必須記載事項:

  1. 基本給と固定残業代の明確な分離表示
  2. 固定残業代の対象となる時間数
  3. 対象時間を超えた場合の追加支払いの明記
  4. 固定残業代の時間単価の算出根拠

具体的な記載例:

基本給:220,000円
固定残業代:50,000円(月30時間相当分)
※30時間を超える時間外労働については、別途割増賃金を支給します
※固定残業代は時間外労働の有無にかかわらず支給します

試用期間中の賃金表記

試用期間を設けている企業では、その期間中の賃金についても適切な明示が必要です。

  • 試用期間:3ヶ月間 試用期間中の月給:200,000円
  • 試用期間終了後:月給220,000円
  • 試用期間中も各種手当(交通費など)は本採用時と同条件

法的リスクを避ける求人票作成チェックリスト

求人票作成時に確認すべきポイントを、チェックリスト形式でまとめました。

基本給表記チェックポイント

  • [ ] 基本給と諸手当が明確に分離されている
  • [ ] 固定残業代制の場合、基本給・固定残業代・対象時間が全て明記されている
  • [ ] 賞与や一時金を基本給に含めていない
  • [ ] インセンティブや成果給は別項目として記載している
  • [ ] 試用期間中の賃金が明確に示されている

法的要件チェックポイント

  • [ ] 労働基準法第15条の明示義務項目を全て記載している
  • [ ] 虚偽や誇大な表現を使用していない
  • [ ] 職業安定法に基づく求人の明示義務を満たしている
  • [ ] 最低賃金法に抵触していない
  • [ ] 就業規則と矛盾する記載がない

応募者視点での分かりやすさチェック

  • [ ] 手取り額の想定ができる情報が提供されている
  • [ ] 昇給・賞与の実績や条件が具体的に示されている
  • [ ] 諸手当の支給条件が明確になっている
  • [ ] 労働時間と給与の関係が理解しやすい
  • [ ] 将来的な収入イメージが描ける情報がある

透明性の高い採用広報で信頼を獲得する方法

法的要件を満たしながらも、応募者にとって魅力的な求人票を作成するための工夫を紹介します。

給与体系の透明性を高める記載方法

応募者が安心して応募できるよう、給与体系の全体像を分かりやすく示しましょう。

効果的な記載例:

【給与詳細】
基本給:200,000円〜280,000円(経験・能力により決定)
諸手当:
・住宅手当:10,000円〜30,000円(賃料により変動)
・家族手当:配偶者10,000円、子ども1人5,000円
・交通費:全額支給(上限20,000円)

【想定年収】
入社1年目:320万円〜380万円
入社3年目:400万円〜480万円
主任クラス:500万円〜600万円

昇給・昇格の仕組みを具体的に示す

将来的なキャリアパスと収入アップの道筋を明確にすることで、応募者の長期的な働くイメージを提供できます。

  • 昇給:年1回(4月)、過去実績平均5,000円〜15,000円
  • 賞与:年2回(6月・12月)、基本給×2.5〜4.0ヶ月分(業績により変動)
  • 昇格条件:入社3年目から主任職への昇格可能、社内試験・面談により決定

福利厚生との組み合わせで魅力度向上

基本給以外の部分で企業の魅力を伝える方法も有効です。

【総合的な待遇】
基本給:250,000円
各種手当:月平均40,000円
福利厚生:
・社会保険完備
・退職金制度(勤続3年以上)
・社員食堂利用可(1食300円)
・資格取得支援制度(費用会社負担)
・年間休日125日

求人票の作成は、採用プロセス全体の改善とも密接に関わってきます。適切な求人票により、ミスマッチの少ない採用を実現していきましょう。

よくある質問

Q: 固定残業代制を採用していますが、「基本給30万円(固定残業代込み)」という表記は問題ありますか?

この表記は労働基準法違反の可能性があります。基本給と固定残業代は必ず分離して表示する必要があります。正しくは「基本給:25万円、固定残業代:5万円(30時間分)」のように明記してください。また、固定残業代の対象時間数と、超過した場合の追加支払いについても明示が必要です。

Q: 賞与込みの年収を12で割った金額を月給として記載することは可能ですか?

賞与は業績や査定により変動する可能性があるため、確定していない金額を基本給や月給として表示することは適切ではありません。基本給は基本給として、賞与は「賞与年○回(実績:基本給×○ヶ月分)」として別途記載することをお勧めします。

Q: インセンティブの幅が大きい営業職の場合、どのように給与を表記すべきですか?

基本給は確実に支払われる最低保証額を記載し、インセンティブは別項目として実績ベースで示しましょう。例:「基本給:22万円、インセンティブ:実績により支給(過去実績:月平均3万円〜15万円)」のような表記が適切です。上限を設けない場合は「上限なし」と明記することも可能です。

Q: 試用期間中の給与が本採用時と異なる場合、どちらを求人票に記載すべきですか?

両方を明記する必要があります。試用期間とその期間中の条件、本採用後の条件をそれぞれ明確に表示してください。応募者が入社後のイメージを正確に把握できるよう、期間の長さと条件変更のタイミングも含めて記載することが重要です。

Q: 最低賃金ギリギリの職種で、どうすれば魅力的な求人票にできますか?

基本給以外の魅力を積極的にアピールしましょう。昇給の頻度や幅、各種手当、福利厚生、教育制度、キャリアアップの機会などを具体的に示すことで、総合的な働きやすさや将来性をアピールできます。また、スキルアップによる昇給モデルを示すことで、成長意欲のある応募者にとって魅力的な求人となります。

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